獣医さんの電子工作とパソコン研究室
 
 59.導通チェッカーの製作。
(EAGLEを使って穴明き基板のレイアウトをしたら、とても便利でした)
  
 

 

 ■ 導通チェッカーの検討
 結構テスターの導通チェックモードを使う機会が多いので、簡単な回路でできそうなので専用のチェッカーを作ろうと思いました。
Webでいろいろ検索しているといくつか製作記事をみつけることができました。英語では Continuity Tester というみたいです。最近は海外のサイトもいろいろ参考にさせてもらっています。
 
 導通チェッカーの回路構成としては、トランジスタのVbeをオンしないように、導通テストする端子の電圧は0.6V以下で10〜Ω程度で導通とみなすというもののようです。導通の状態は音か光ということになりますが、やはり便利なのは音だということで、最終的にいろいろな回路例を実験したりしながら、下のような回路で製作しました。
 
 いくつかのサイトで同様な回路で紹介がありましたが、手持ちのOP AMPで実験した結果がうまくゆかず、試行錯誤の結果上の回路に落ち着きました。
居酒屋ガーレージさんの回路を参考にさせていただきました。居酒屋ガレージさんの回路はオートパワーOFFの回路がついていたりしますが、電源スイッチをつけOPアンプ1個で簡単に済ませる回路としました。
電源電圧は単3電池2本で 3Vです。回路図には電源スイッチが入っていませんが、実装時に電源スイッチは入れています。
この回路で1.5Vではうまく動作しませんでした。使用したICは TA75358で、LM358のセカンドソース品です。
 
 回路はOPアンプをコンパーレーターとして使用し、IC1Aの部分で+側3番ピンに抵抗で分圧した電圧を基準として、-側2番ピンの電圧が3番ピンより高ければ出力は0になり、低ければ出力はプラスになるというもので、次段の発振回路がONになるというものです。
テスト端子にかかる電圧は、保護ダイオードの順方向電圧ということになり、0.6V以下です。(製作したものはテスターで測って0.46Vでした)
 
 ■ ユニバーサル基板に組み立てる-EAGLEの活用
 いつもは回路図を元に、穴開き基板に適当な配置で配線していっていたのですが、今回は回路図エディタのEAGLEを使用して、PC上で配線を検討してから製作しました。とても便利です。
 
 ■ EAGLEでの配線検討方法 
 
まずは回路図を作成します。
部品の大きさも検討しながら、部品ライブラリより部品をチョイスします。
 
起動時の設定はeagle.scrに記述されていますので、私は常に起動時にグリッドを0.05inchi、グリッドONにするようにデフォルトの記述を変更しています。
ボード作成画面に移動し、グリッドサイズを変更します。
 
穴開き基板のピッチに合わせて、Size 0.1 inch にします。
 
適当な配置に部品を移動しますが、部品用の穴がグリッドの交点にくるようにしたいので、Altキーを押しながら部品を移動すれば、交点上に部品が落ち着きます。
自動配線の設定画面で、裏面のみの設定(右画面 Top を N/A にする) にし、Routing Grid を100に設定して実行します。
 
自動配線の様子を見て、部品を移動したり、一つずつ配線を手動で行い、あまりジャンパーを飛ばさずに済むようにします。
 
ジャンパーを飛ばすところは、両面基板の機能を利用して、Viaホールを経て配線するようにします。
こちらが、いろいろ検討して最終的な図面です。
赤の線は表面の配線、つまりジャンパーです。
もちろん、裏側で配線しても構いません。
 
このようにして、PCの図面上で配線を検討しておくと、組み立てが楽にできますし、間違えも少なくなります。
 
今回初めてこのような手法をとりましたが、便利ですよ。
 
左の図面の拡大
   
 ■ 製 作 
実際の製作例です。
こんな感じにできました。 
 
基板は手持ちのプラケースに入れました。

 
圧電ブザーの音量が小さいので、ケースに穴をあけただけでは音が聞こえにくかったので、ケースにブザーの穴があたるように、足を伸ばして実装しました。
 
仕上げの調整は、テスト端子に10Ωの抵抗をつないで、VR1を回して音が消える点にセットするだけです。
 
テスターで確認したところ 端子間電圧 0.46V 消費電流は 1.932mA(ブザーOFF) 1.820mA(ブザーON)でした。電源表示用のLEDが1mA程度喰っていますので、その他の回路は1mA以下ということになります。 単三電池でかなりの時間使えると思います。
 
 ■ 他の導通チェッカー回路 いろいろ
 1.光で表示 
トランジスタ1石の簡単なものです。
 
参照:MASAKI'S ROOM −回路図辞典
 2.光と音で表示 
4011で圧電ブザー用の発振回路を構成しています。
 
参照:Synth DIY
 3.光と音で表示(トランジスタのみ) 
トランジスタのみで構成、スピーカーを鳴らしています。
 
参照:DIY Electric projects
 
 ■ その他参考にさせていただいたサイト
 
 居酒屋ガレージ − 「導通チェッカー」を100円ラジオのプラスチックケースに組み込む
 はんだごてのけむり - 導通チェッカー
 CXI Circuit Exchange International - Connection Tester
 
Last up date 2009/12/27

 

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