獣医さんの電子工作とパソコン研究室
 
 56.バックライト交換しても暗い液晶を明るくできました
(NEC Lavie Pro LH300/2A)
液晶パネルの光拡散板を交換してしまいました
  

 

 ■ バックライトを交換しても液晶が暗い!!
 業務で使用していた NEC Lavie Pro LH300/2A  モバイル AMD Athlon4 1.0GHz / 14.1型TFTカラー液晶(XGA)  2002年製ですが、かなり液晶画面が暗くになったという感じを受けていました。先の54で紹介したように、他の機種でバックライトを交換してうまくいったので、これもバックライトが暗くなったのだと思い交換してみました。 しかし、新品のバックライトをつけたのにもかかわらず、相変わらずの暗さでした。
  
 ■バックライトの交換・・・慣れてきました 
まずは分解です。この機種はキーボードの上側のパネルを左にスライドすると嵌合わせがとれて開きます。
その後、ヒンジ部のプラスチック取り外し、液晶枠の取り外し、という手順になります。
液晶だけなら、下側の本体をばらさなくても修理できます。
インバータ部分です。インバーター基板に表示用のLEDが表と裏についておりますので、流用は無理でしょう。
ついていたNEC製の液晶パネル
NL10276BC28-21Aというモデルです。
液晶パネルへのコネクタ部分です。
フラットケーブルではなく、細い線が平行に寄せ集めて、テープでまとめてあるようなものでした。
見ると12本しか使っていないようです。
20ピンのコネクタです、他のメーカーの液晶にリプレースできるのかもしれません。
冷陰極管が納まっている付近の写真です。
やはり、両面テープでしっかり止まっていましたので、ゆっくりとはがします。
最初に、外側の金属枠を外してからのほうが作業が楽です。
取り出したバックライト 冷陰極管 (CCFL) (下)と新しいもの(上)
寸法は 290mm φ2.0 でした。
前回と同じところで購入、送料含めても840円で済みました。
   
 ■新しくしても液晶画面が暗い 
新しいバックライトも無事点灯しましたが、あまり画面の明るさは変わりませんでした。
前回の教訓があったので、照度計はありませんが比較という意味で、CDSでパネル面のCDS抵抗値を測っておきました。
 
測定はデスクトップの前面を"白"に設定して、点灯してから数分後に、右写真のようにCDSをパネルに直接つけて抵抗値を測定しました。
正確ではないですが、明るさを比較するための目安にはなると思います。

輝度はキーボードのFn+で調整しました。

  
CDS抵抗値 交換前 交換後
輝度最大 8.35KΩ 8.39KΩ
輝度最小 13.3KΩ 11.3KΩ
結果は上表のとおりで、見た目にも薄暗く、数値的にも明るくなっていませんでした。
 
 ■何とかならないか・・・試行錯誤、チャレンジ  
 バックライトの問題ではないとすると、光が充分液晶パネルを透過していないわけですので、どうにかならないか考えました。
  というわけで、パネル面を分解してみると、下図のような構成になっていました。正確な部品名称はわかりません。
 
光が透過しにくいのだから、ということで、最初に上図 5の半透明の板を外してみました。
結果は、少し明るくなりましたが、なんとなく画面がざらつく感じです。
CDS抵抗値 バックライト
交換前
バックライト
交換後
その後
5の板を外した時
輝度最大 8.35KΩ 8.39KΩ 7.22KΩ
輝度最小 13.3KΩ 11.3KΩ 10.3KΩ
 
あまり明るくなったという感じがしませんでしたので、導光板が黄ばんでいないかチエックするため取り出してみました。特に黄色がかっている感じもありません。
 
 ふと以前、友人のPCの液晶が割れ、中古の液晶パネルが手に入ったので修理してあげたことを思い出しました。その残骸がジャンク箱の中にありました。捨てないでよかったです。
その導光板と交換することを思いついたので、早速実施してみました。
右写真の上側が元々ついていたもの、
下側がジャンク液晶から取り出したもの
 
ジャンク液晶に付いていた導光板は手で触ってもぶつぶつした感じになっていて、上側のものとは構造が違うものでした。
 
ちなみに、導光板はテーパー状になっているのですね。写真の上下の板は、180度違う向きで撮影しています。
 
割れた液晶は確かNEC LaVie G PC-GL31URCG3だったと思います。
QUANTA DISPLAY のもので、光沢液晶でした。
 
同じ14.1インチのもので、嵌めてみると、左右にある出っ張りの位置が違うためうまく入りませんでしたが切り取ることでどうにか納まったので、仮組して実験すると、かなり明るくいい感じになっていました。
 
CDS抵抗値 バックライト
交換前
バックライト
交換後
導光板交換後の実験
輝度最大 8.35KΩ 8.39KΩ 5.49KΩ
輝度最小 13.3KΩ 11.3KΩ 8.30KΩ
導光板交換後、仮組みの状態での結果は、数値的にも明らかに違いました。
色味も以前より色温度が高い感じ(青みが強い)でした。
  
実験結果が良好でしたので、最終的に組み付けです。
ジャンクより取り外した導光板は、上下方向に少し長かったため、右写真のように部分的に加工して収めました。
 
嵌め合わせがなくなった部分は、テープで固定としましたが、なんら問題ありません。
 
 ■ 明るくなった液晶 
液晶画面の様子を目で見ているようにはなかなか写真に残せないのですが、上の写真は交換前と交換後のものです。
こんな感じです。これくらいの違いがありました、成功です!!
 
 ■ さいごに
 液晶画面が暗いからといって、バックライトだけの問題ではないことが、今回はっきりしました。
このような例は少ないのかもしれませんが、バックライト交換しても納得ゆかないときには、割れた液晶のジャンクでも購入して、導光板を取り替えてみるのも一つの方法かと思います。
この前に、54.で報告しているFujitsu FMV-613もバックライトを交換してもあまり明るい感じがしないので、機会があれば導光板を交換してみようと思います。
 
 バックライトの取扱いにも慣れてきて、いろいろ実験している途中、割ってしまいました。
 端についている保護ゴムの取り付け、取り外しや、管をバックライトの納まる金属部分への取り付け時などには細心の注意をしましょう。
Last up date 2009/10/13

 

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