獣医さんの電子工作とパソコン研究室
 
 45.NTT αRXU に ひかり電話を導入する研究
 
 

〜 個人的興味のための実験研究結果です 〜

 ■ うるさい電話勧誘
 やっと当地域でもフレッツ光が開通するようになりましたので、早速申し込んでみました。
Webからの申し込みでは、開通までに約3週間かかりました。なにやら電話屋さんやNTTの営業所に直接頼めば、すぐに開通するらしいです。違いは無料期間の特典が多いか少ないかのみですが、何も差をつけなくても…。
 
 地域で開通のインフォメーションが届くと、毎日のように「NTT代理店の××ですが」というセールスの電話があります。仕事熱心なのは良いのですが、こちらも仕事中ですので、ちょっと迷惑です。黙って聞いていると無知なことを前提におかしな勧誘が多いですね。「光にしたら電話機を替えなきゃいけないとかなんとか」どんなシステムなのかをしつこく聞いてくる会社や、後でかけなおすといっても電話番号を言わない会社とか・・・。
 いままでも、数多くの電話関係会社からの電話によるセールスがあります。本当に知らない振りして聞いていると、首を傾げたくなるような内容が多いですよね。
一番多かったのが「当地域の回線が変わったから電話機を・・・」とかいう内容、なんだか聞いてみると怪しい内容で、知らない人はこれでシステム全体を交換させられてしまうのではないでしょうか。
それから、電話機のリース番号を聞いてくるものとか、電話機の型番を聞いてくるものとか、なかには「電話機の会社からの委託で調査するから釜の中を見せてくれ」とか、連絡先を聞いても答えない会社とか、本当にNTTが委託しているのかわからないけど、ちよっとあやしい電話が多いですね。
 
 さておき、電話のシステムも5年前に高い買物をしましたので、じっくり研究させていただきました。
今回、ひかり電話を5年前に設置したビジネスホン(αRXU)のシステムに導入し、ナンバーディスプレイを可能にする“実験”をしましたので報告します。無駄なシステムの買い替えをせず、ひかり電話は導入できました。
 
 ■ Bフレッツ・・・光ブロードバンドサービスの工事
 2008/3/10 光ファイバーの工事に来てくれました。宅内の情報配電盤内に光コンセントを設置し、その先に回線終端装置とブロードバンドルーター、ひかり電話までALL-IN-ONEの NTT PR-200NE という機器を取り付け、設定をしてゆきました。工事に来てくれた人に、電話鳴り分けについてなど聞いてみたのですがあまり詳しくないようで、「できると思うけど…」というお返事で、結局自分で設定しました。
 ADSLモデムの撤去などはしてくれませんでしたので、ADSLモデムを撤去してその場所に PR200NE を設置、とりあえず今までADSLモデムから入っていたアナログ回線の部分に接続し、αRXUでのアナログ回線での動作は確認できました。
光ファイバー引き込み口、光コンセント どうにか納まった PR-200NE
 ネットで調べてみると、PR-200NEは本当にALL-IN-ONEみたいで、専用の無線LANカードを差せば、無線ルーターとしても機能するようです。NEC製らしいですが、ルーターの性能はどうなんでしょう?
 
 さっそくPR-200NEをWebから設定しようとしましたが、認証画面でパスワードが設定されていました。工事の方は帰ってしまったし、工事の内訳書にある問い合わせ先に電話してもかからないし(後でわかったのですが、内訳書に書いてある電話番号が違っていた)。とりあえず、一般的に使いそうなパスワードをいくつかトライしていたら、なんと簡単なパスワードでした。工事の際にはパスワードを聞いておきましょう。
 DHCPの設定や接続先の設定をして、インターネットに接続。スピードテストをしても期待していたスピードが出ていません。こちらのサイトを参考にRWin値を変更したら、標準的なスピードが表示されるようになりました。
 
<スピードテスト結果>  測定環境は Athlon1800 + Windows2000 100M有線LAN PM3:30測定
フレッツスクエアでの速度測定 82.69Mbps
通常のWebでの速度測定
  ・・・一番信頼性が高いといわれている Radish Network Speed Testing を使いました。
下り回線 : 71.74Mbps (8.967MByte/sec) 測定品質 89.9 
上り回線 : 47.75Mbps (5.968MByte/sec) 測定品質 98.7 
まずまずのスピードが出ています。
  
 ■ 光でんわ・・・電話がおかしい
 PR200NEのアナログポートからαRXUのアナログ入力に接続し、一応開通したのですが、電話がかかってきた時にちょっと動作がおかしいことに気がつきました。
まず最初に短い間隔で2〜3回着信音が鳴り、その後で通常の着信音が鳴ります。短い周期の着信音の時に受話器をとると、一瞬モデム音がするだけで相手につながりません。
この状況はナンバーディスプレイの契約があるにもかかわらず、電話機がナンバーディスプレイ対応でないとこのようになります。(PR-200NEで電話機のタイプは設定できる)
光でんわ契約時にαRX2がナンバーディスプレイ対応しているものとばかり思っていましたが、違っていたのです。(詳細は後述)
おかしな動作は、PR-200NEの設定をナンバーディスプレイ設定無しにして解決しました。
 
ナンバーディスプレイ解説 株式会社ウィンテック - CA-3240 FAQ
ナンバーディスプレイ技術資料 電話サービスのインタフェース NTT東日本 pdfファイル 59ページから
  
 ■ αRXUをダブルチャンネル対応にする
 αRX2にはアナログ回線としてADSLの時に1回線分のみしか設定されていません。今回、光電話になり、ダブルチャンネルの申し込みをして、アナログ2回線分使えますので、αRX2もそのように設定します。

@αRX2主装置の中にあるアナログ入力にPR-200NEのアナログ出力を繋ぐ
空いていた配線を使って、PR-200NEのアナログ出力を主装置のRX2-4COU-<1>基板のCO2コネクタに繋ぎました。
  
 
AαRXUの設定を行なう
 この設定は、αRXUの主装置とパソコンを接続して、専用の設定ソフトで行ないました。
設置工事に来た電話屋さんは、一つ一つ電話機から設定していましたが、PCで設定するほうがわかりやすそうです。
最初に、間違えた時に元に戻せるように必ずαRXUのデータを全てセーブしておきましょう、
(必須!これを失敗して、全部設定しなおしたことがある、大変な労力です)
  
A−1
種別3−01 LEN種別設定 で 外線番号(LEN)に対応する場所に COU(PB) を設定します。
右上の図では、LEN1〜4にISDNを割り当て、LEN5,LEN6にアナログの外線を割り当てています。
(ナンバーディスプレイ対応は後述)
  
 
A−2
種別2−03 回線キー設定で、それぞれの電話機ごとに回線キー(電話機でLEDが光るボタン)に先ほど設定した外線番号(この場合LEN6)を設定してゆきます。このキーには外線だけでなく内線やワンタッチボタンも設定できるんです。便利ですよ。
上右図では回線キー3番にアナログ外線1、回線キー4番にアナログ外線2を割り当てています。
(設定時、各電話機はTEN番号で呼ばれており、電話機の裏側のDIP-SWで設定されている番号で、内線番号とは違います) 
 
上右図にある回線キー01、02、05はNKグループとして、ISDNの追加電話番号(iナンバー)に対応させてあります。
(本体のROMバージョンが4で対応しています) 

回線キー06にはワンタッチ番号を設定して、一斉呼び出しがこのボタンでできるようにしてあります。

PCで短縮ダイアルの編集設定もできますし、電話機のディスプレイに電話機の名称とか、外線の名称も設定できます。(通常は設定してあると思うが、私のところでは設定してなかった)

これで設定終了、PCからデータをαRXUに転送すればOKです。アナログ外線を増やすくらいなら、わりと簡単にできます。わかってくると、なかなかおもしろいです。
 
 ■ PR-200NEでのダブルチャンネル、鳴り分け設定
PR-200NEでのダブルチャンネルでは、そのままですと外線1と2が同時に着信しますので、
優先着信を設定しておきます。   
 
PR-200NEの設定画面で、電話設定−ひかり電話共通設定−優先着信ポート を指定します。なにやらメッセージが出ますので、指示に従って内線番号設定の画面を設定しなおせばOKです。
これで、アナログ外線1が使用中の時はアナログ外線2に着信があります。
 ■ ナンバーディスプレイ対応にするには
 ISDNでナンバーディスプレイを申し込んであり、ナンバーディスプレイの表示がされていたので、そのままでアナログもディスプレイされると思っていたのですが、アナログでナンバーディスプレイするためには、ユニット(発IDレシーバユニット RX2-CIDRU-<1>)の追加が必要です。 
 RX2-CIDRU-<1>上にはH8マイコンとPROM、日通工のカスタムICが搭載されていました。これを空いている場所に差し込むだけです。
  
発IDレシーバユニットを差したら、3-01 LEN種別設定で、アナログ回線を CID(PB)に設定し、
PR-200NEの設定もナンバーディスプレイ有りにします。
 
これで、ナンバーディスプレイが電話機に反映されます。
 
 ■ さいごに
 あくまで、個人的興味の範囲で、ひかり電話導入に際して以前の機器がそのまま使えるかどうかの実験をしたレポートです。実際は電話工事会社の方へご相談ください。
 
■こんな使い方で設定しています。
 αRX2の主装置を天井裏に設置されていましたので、PCでの操作がやりにくかったので、ノートPCに無線LAN+VNCを使って主装置から離れた場所で設定操作をするようにしました。これで、作業性は格段に向上です。(X-portでLANに繋いでも良いかもしれません。)

● リモートPCソフトウェア(VNC)

   現在、各社で販売されているビジネスホンはWeb上から設定ができるタイプのものが多く、どこまで設定できるのかわかりませんが、面白そうですね。
αRXUには電話機までの配線がバスタイプとスタータイプがあります。それぞれ電話機の増設も設定さえできれば簡単にできましたし、ハンディ型の子機(αDCL)の増設も簡単にできました。
皆様も研究してみてください。
 
Last up date 2008/4/12

 

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