獣医さんの電子工作とパソコン研究室 |
44.エプソン・フリンタインク、純正から純正への詰め替え 〜エプソンの捨てられてしまうカートリッジからインクを回収して詰替える〜
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■ 交換メッセージが出てしまったプリンタインクはまだ残っている |
このページに興味をもたれた方ならご存知かと思いますが、エプソンのプリンタインクは、交換メッセージが出た後もかなりの量がインクタンクに残っています。一説によると1/3残っているとも言われています。いろいろな状況での使用を含めて、早期に交換のメッセージを出しているのだと思われますが、結構もったいないです。 |
■ 残ったインクを吸い出す | |
使用済みインクタンクから残ったインクを吸い出しますが、見やすいようにスケルトンにしています(方法は後述)。吸い出すだけでしたら、そのままでも充分にできると思います。 | |
新品のインクです。 赤点線の部分程度までしか入っていません。 |
交換メッセージが出たインクです。 結構残っています。 |
最後と最後に、この部分を押して空気を中に入れて、タンク内の陰圧が解除します。 |
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インクカートリッジの吸出し口を下に向けて、注射器を吸出し口に強く押し込むようにあて、インクを吸い出します。中が陰圧になると空気が自然に入ってくる構造になっていますが、時々右上の写真のようにタンク内陰圧を解除しながら抜きます。タンク内に残っている量は 3cc程度です。 | |
たまっていた使用済みカートリッジから抜き出したインクをビンに保存したところです。 9〜10本で約30cc程度抜けました。 (全部フィルムをはがして、残ったインクを取り出すいろいろな方法を考えました。フィルムはがしもこれだけやればコツはつかめます。) |
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■ スケルトンカートリッジを作る |
インクタンクへの詰め替えをするのに、中が見えたほうが良いのでカートリッジの改造をします。 |
まず、インクタンクふたを外します。カッターで爪の部分(赤矢印5箇所)に切り込みを入れ、ふたを持ち上げれば簡単に外れます。 赤○の部分は熱で潰して止めてありますが、あえて切り込みをいれずとも、強くひねるようにしてフタを持ち上げれば外れます。 |
プラスチックのフタを外すとグレーまたは黒のフィルムが現れます。このフィルムは数層の層状になっていて、一番表面のフィルムだけをはがすことができます。表面だけはがしただけではインクはこぼれないのです。まず隅の部分をつまんで少しずつはがし始めます。下の層のフィルムは本体に溶着していますので上層部のフィルムだけがはがれ始めます。そこからは一気に上層のフィルムを引っ張ることで見事にきれいにはがれます。このとき、ラジオペンチ等で引っ張ったほうがうまくゆきます。また上写真・赤矢印の部分からはがしたほうが、下層のフィルムが密に溶着しているため成功率が高いです。 最後に、下層のフィルムだけでは強度不足のため、透明粘着フィルムを貼りました。 表面のフィルムはがしは、慣れれば簡単にできます。数回に1回くらいは下層のフィルムも一緒にはがれたり、ゆっくりとはがすと、途中で下層のフィルムが切れてしまったり、失敗はあります。 しかし、インクを抜き出すためのカートリッジはたくさんあるので、うまくできたものを使うようにします。 |
■ 集めたインクを製作したスケルトンのカートリッジに注入します |
インクの注入方法はいろいろな方法がインターネットで見られますが、それらの応用で注入しています。注射器以外は特別な道具を必要とせずに注入できます。 |
1.まず、上の赤丸部分のフィルムをカッターで切り取りインク注入口を作ります。 2.写真中のように少し傾けて、注入口よりあふれない程度にインクを入れます。 3.写真右のように角度はそのままで、インク出口に注射器を差し込んで注射器を引くと上側にたまったいるインクが下側に吸い込まれて移動します。これを何回か繰り返し、下側の部分にインクを充満させます。 4.次に上側の部分にインクを充満させ、注入口にゴム栓をします。 5.残ったインクを吸い出したときと同じようにして吸出し口を下に向け、注射器で中心部分の空気を抜き、インクを導いておきます。この作業をしておかないと、なかなかインクが出てきません。 6.チップリセッターでICチップの初期化をして出来上がりです。 |
■ 参考にさせてもらったサイト |
以下のサイトを参考にさせていただきました。 ● http://www.haihai.net/epson/cgi/shop/shop_index.cgi こちらのサイトにはインクカートリッジの構造が詳しく解説されています。 ● インク専門店 詰め替えリンク.COM 詰め替えインク販売店です ● インクジェットプリンタ詰め替えインク 株式会社ダイコー 詰め替えインク販売店です |
さいごに: 今回は交換時に捨てられているインクを回収して詰め替えしてみました。販売店にある回収ポストにはたくさんのインクカートリッジが捨てられていますので、拾ってくればかなりの量のインクが回収できそうです。 こちらのページの内容は、インク詰め替えの実験に関するレポートですので、あくまでも参考程度とお考えいただきたいと思います。 |
Last up date 2008/3/24 | |