獣医さんの電子工作とパソコン研究室
 
21-1.FCRシステムにおけるコンソール延長器の実践的応用

     

このページに関する内容は、個人の技術的興味における範疇のものです。
メーカーへのお問い合わせはご遠慮いただくとともに、設置、改造などは個人の責任で行ってください。
 

はじめに

 仕事場で富士フィルムメディカルのFCRという機器を導入。
(富士コンピューテッドラジオグラフィー:簡単に言うと、レントゲン写真をフィルムを使わずにデジタル処理する機械。) → 関連ページ・・・FCRシステム雑感
 導入にあたり、いろいろ話を聞くものの、一向にそのコンピューターシステムの全貌がつかめず、私なりにいろいろ想像で考えた末、導入後にいろいろいじってやろうということで、とりあえずメーカーが提示したシステムで導入に踏み切りました。
 導入したシステムは、下図のとおり。メーカー側は「メーカーで構築したシステム以外の提案はできない」の一点張りで、結局、自分で自分の使用形態にあったようにカスタマイズすることになり、安価で便利なシステムをCPU延長器というものを利用して構築できたのでレポートします。
これに限らず、このCPU延長器は利用価値の高いものと思われ、皆様の参考になればと思います。

考えたこと と 解決方法

 
 まず、私のやりたかったことは、2つの診察室内でモニタに表示し、撮影した画像を見せること。そして、そこでビューアーの操作ができること。 簡単なようですが、メーカーにこの話をすると、さらに数百万円かかるということでした。 そして、そんなことしている個人病院はないと言うことでした。 どうしてそんなに高いのかというと、大病院では撮影したデータを専用サーバーに蓄積し、それを各診察室などのマシンで見ると言うシステムのようです。メーカーでのシステム構成では、ビューアーが2台以上になるとそうになってしまうらしいのです、そんな大袈裟なシステムは私のような小規模の病院では要りません。

そこで、いくつか考えました。

  1. 単純にVGAのケーブルを、分配器を通して引っ張れば、画像を見るだけならできます。(購入したエレコムの分配器は65mまでVGAケーブルを延長できると書いてありました)
    問題点:診察室でビューアーの操作ができません。 ごついVGAのケーブルを配管の中に通すのが面倒。コネクタを後付けしなければならない。ケーブルが高い。
     
  2. 各診察室に小型のキューブPCを置き、LANで接続、ビューアーの入ったマシンのハードディスクをコピーしてしまって使う。
    問題点:通常、ビューアーのソフトだけでは販売しないそうです。だから、ハードディスクのコピーをしてしまえと思ったのですが・・・ビューアーのソフトは、そう単純なものではなかったのです。各種設定も自分ではできないようになっています。
    他メーカーのDICOMビューアーと言うものがあるのですが、非常に高価です。フリーウェアのDICOMビューアーもありますが、本当に見るだけで画像のエフェクトができない。などなど、無理そうでした。
     
  3. そこで各診察室に小型のキューブPCを置きVNCでリモートアクセスすることを考えました。
    問題点:実験してみたら、やっぱり反応に遅れが出る。スムースに画像がスクロールできないなどということがあります。LAN配線一本で済むので、これでも目的は達成できます。
     
  4. 見つけました、良いものを!
    CPU延長器というのが KIRIKAEKI.NET にありました。 LANケーブルでディスプレイとキーボード、マウスを延長できるものです。どんなものか、どんな動作するかわからなかったので、とりあえず購入。大きく分けてVGAとUSB、VGAとPS/2の2タイプですが、VGA+USBの延長器 (USB対応KVMエクステンダー CE-700 ATEN製) を購入しました。

実 際 の 使 用 例

 
いろいろ考えた末できた私のシステムが、図のようなものです。
PC1台で、各診察室で画像を見ながらビューアーの操作もできます。PCを2セット買い足すよりも安価に仕上がりました。

 VGA+USBの延長器を使いましたので、USB-電波式ワイヤレスマウスをその先につけてあります。 USBですから、なんと、この状態で3箇所どこのマウスでも切替なしでビューアーの操作ができます。キーボードはつけていませんが、もしかするとUSBキーボードも同様に使えるかもしれません。

 まさしく、この方法で各診察室でも画像を見ながらビューアーの操作ができるようになりました。
ただし、上図で3台のディスプレイには同じ画面が写りますので、必要な診察室だけディスプレイの電源を入れるようにしています。
  
 LCDディスプレイはSAMSUNGの172Xを2台購入、この機種は非常に薄く、スタンドにデュアルヒンジ機構が採用され、通常別売である壁取り付けの金具がいりません。 
 最初はアームで壁取り付けしようと思ったのですが、こちらのほうがとってもすっきり取り付けられました。(写真 下左側) また、表面のノングレア処理もなかなか良好で写りこみはほとんどなく、視野角度も広くてとっても見やすいです。

※納入時のシステムはDVI出力でディスプレイに接続されていましたが、このシステムではアナログVGAの出力を使用します。 したがって、設置後ディスプレイの出力、入力をアナログVGAに切り替えないと写りません。 ご注意ください。
 
実験中の様子

リモート側、壁取り付け LCD

CE-700 ローカル側

CE-700 リモート側とVGA分配器
診察室の天井裏に配置してあります

 
実際に使ってみて・・・とても具合が良いです。診察室内のディスプレイの電源を入れるだけで、すぐに見られますし、マウスでの操作もでき大変便利です。 ディスプレイでのレントゲン説明は拡大や濃度、コントラストの調整などもでき、今までのフィルムによるレントゲン説明より効果的です。 同時に2つの診察室では見られませんが、小規模な病院では充分でしょう。 
 

延長器の応用

 
◆ 応用編、その1
 私は、設置工事を自分でしましたので、いろいろ考えながら、しかも割安な方法ということで上の図のようなシステムにしましたが、基本的には、下図のように接続するのが一般的で簡単なのではないでしょうか。延長器からそれぞれのマシンまではLANケーブル一本で済みます。LANケーブルなら安いですし、工事も楽ですね。いくつもの場所に分けられます。

 問題点としては、当たり前ですが1台のPCを分けているだけですので、同時に別々の診察室で別々の画像を見ることはできません。診察室がいくつもあっても、同時に使う場合は少ないでしょうから、これで充分ではないでしょうか。
 また、この方法はVGA分配器を使いませんが、CE-700Lを直列につないだ場合の画像の劣化がどれくらいあるかは不明です。実用範囲ではあると思います。また、PCから出た部分に切替器を入れる方法もあると思います。

◆ 応用編-ヒント
 院内のネットワークにこのFCRのシステムを組み込むことによって、ビューアーから普通紙のネットワークプリンタに印刷できます。ちょっとしたメモ程度に保存するにはこれで充分です。

◆ 応用編、その2
 このFCRシステムでは、画像ファイリング・ビューアーの装置が高価なため、導入せず、すべてドライプリンタでプリントしている先生も多いと聞きます。そんな先生方にはこちらシステム構築がお薦めではないでしょうか。
 FCRのコンソールには、フロッピーディスクにjpg画像として保存できる機能があります。フロッピーでデータを移動している先生もいると聞きますが、LANで他のパソコンにデータを飛ばせるのです。コンソールの設定はメーカーにしてもらわなくてはなりません。(この辺の内容も、メーカー技術者が来て院内LANへの設定変更してもらっているときにひらめきました)
 要するに、院内のLANにこのFCRのシステムが組み入れられれば、他のパソコンにjpg画像を飛ばして、市販のフォトレタッチソフト(PaintShopやPhotoShopElements)で見ればいいのです。そうすれば、画像の拡大・縮小、輪郭補正、明度の調整、いろいろできます。上の応用編、その1で示した構成にすれば、現在使っているPCでそれらができてしまうのです。
 また、普通紙にプリンタで印刷もできますので、印刷してカルテなどに保存してもいいのではないでしょうか。

お願い:このページに関する内容は、個人の技術的興味における範疇のものです。    
メーカーへのお問い合わせはご遠慮いただくとともに、設置、改造などは個人の責任で行ってください。 私へのご質問、アドバイスはいつでもお受けいたします。

 
 
 


 おまけ
 ---私の古いデジカメ活用 (こんないいもの、何でなくなっちゃったの?)

 わたしの病院では、ふる〜いCASIOのデジカメが大活躍しています。なぜなら、CASIOのQVプリンタというものがあるからです。
 例えば、手術のとき、皮膚病で来院のときに、デジカメで現場を撮影、QVプリンタでシールにしてカルテに貼っています。このシールがいいんですよ。本当に“メモ”です。

この接写レンズ、なかなか良いです。
最近のデジカメの接写モードなどとは比べ物になりません。こんなものも最近はなくなりました。

 

残念ながら、このQVプリンタは現在販売されておらず、このプリンタのカートリッジも既に製造中止で手に入りません。(私は製造中止になったときに買占めしたので、まだ、1、2年は使えると思います)

上の写真は、実際にカルテに貼ってあるシール(36mm幅)です。便利ですよ。

 
この手の類では、Canonで小さなプリントができるカードフォトプリンタが出ていますね。カメラつき携帯でとった画像を赤外線で飛ばして小さなプリントにする富士フィルムのチェキプリンタもあります。

簡単に1枚だけのシールプリントができるプリンタ、どっかの会社で作ってもらえませんかね・・・。
本当の意味で、メモ代わりに使えるデジカメを考えてください。
  

Last up date 2004/4/20

 

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